今回はデール・カーネギーさんの名著、人を動かす
を読んで感じたことをお伝えします。
タイトルの原書の意味
まずはタイトルからですが、人を動かすと言うのは意訳です。原題は
How to Win Friends and Influence Peopleであり、そもそもの意味は
“友を得、他人に影響を与える方法”となります。
これだけでも少しイメージが違うなと私は感じました。
人を動かすということは何か悪いイメージがあったのですが、
友を得て他人に影響を与える=周りの人の力を借りる
と解釈すれば、とても生活や人生にフィットした考え方になるのでは?と感じています。そして私は実践したい。
前回は心理的安全性について感じたことを記載しましたが、この心理的安全性を確保しつつ、コミュニケーションは基本的に本書から得たものをベースに関わっていきたいと考えています。
原則の数は全部で30個
カーネギー先生はとても多くの原則のもとに、人を動かすと言う著書を書かれました。ですので、原則の数は合計で30個に登ります。
その中でも、
1.人を動かす3原則
2.人に好かれる6原則
3.人を説得する12原則
4.人を変える9原則
と、各パートごとに原則が分かれています。
そしてそのパートごとに、細かくエピソードが添えられており、解釈しやすくなっていると言うことが本書の特徴だと感じました。
より理解を深めたいと言う方は、是非本書を手に取ってご覧ください。
今回は30原則を読んだ中で、自分が大切だと感じたり、できていない・・・と感じたことをまとめた備忘録のようにしていきたいな!と思っています。
30原則ありますが、感じたことを3つにまとめてみました。
ではいきましょう!
1.相手を批判しない。批判しても意味がない
これが、私にとっては一番学びになった項目です。
人を動かし、力を借りる上で一番やってはならないことが、批判です。
と言うのも、私自身、なかなか不正や不道徳を許せなかった人間だと自覚しておりまして、何かにつけて口を出してしまうタイプだったんです。
仕事でもすぐに”それ違うんじゃない?”と言ってしまう痛いタイプでして、正しいと感じたことをすぐに言っちゃう奴なんですね。
救いようがない・・笑
本書で一番勉強になったのは、批判してはいけない理由の部分です。
凶悪な殺人犯が、次々と捕まえにきた警察官を撃ち殺していき、刑の執行の際に言った言葉が
”自分は悪くない”
というエピソードや、
そもそも刑を受けるような犯罪者が”自分は悪くない””仕方なかった”と言う心理が大半という話が出てきます。
ここから学んだことは、
結局批判しても、相手は”自分は悪くない”と思い続ける。
むしろ”批判者に対しての恨み”だけが残るということでした。
心当たりがありすぎる・・・
実際にアメリカ歴代大統領のリンカーンが、実際に人の批判をし続けた結果恨みを買い、決闘を申し込まれ、殺されかけるというエピソードも出てきます。
人の数だけ正義があり、だから戦争も起きるのでしょうし、互いに
”自分が正しい”
と思い続けているという人間の心理を感じました。
2.相手に興味を持つ
次に感じたことは相手に興味を持つという重要性です。
アメリカの大手コールセンターでおきゃくさんからもっともよく聞かれる言葉は何かという調査をしたところ、”私”という単語であったというエピソードが載っているように、人は放っておいたら自分のことばかり考えてしまう生き物です。
かの有名な心理学者アドラーさんが
他人に関心を持たないものは苦難の人生を歩む
というのも頷けますね。
関心を持たない人は、自分のことばかり考えて苦しくなることでしょう。
イギリスの首相は
釣り針には魚の好物をつけろ
という格言を残しています。
確かに、魚釣りをするときには、魚の餌をつけるのが当たり前ですが、人と話す時はどうかと振り返ったとき・・・
ついつい自分の話をしてしまうんですよね!
その人が欲しがる話ではなくて、
私が欲しいだけの話・・・
よくやってしまうなと反省です。
本書の中には、
・相手の名前を5万人覚えた人の話
・相手の立場に立って、朝食を食べたがらない5歳の娘を持つお父さんの話
・相手の関心のありかを見抜いたパン屋さんの話
・掃除をしないガソリンスタンドの店長が掃除をするようになった話
・毎日お客さんに〇〇と思っていた 奇術師の話
と、具体的に怒涛のようにエピソードが満載です。
その話の中で相手をよくみて、相手の関心は何か、相手の欲しがっているものは何か、そこにメリットを加えて、その結果自分のやって欲しいことに力を貸してもらう
ということの重要性をとても感じました。
その人のことをよく知っておかないと、その人の力は借りられないということですよね。
これらを一つにまとめると、人に興味を持つということになります。
加えて、相手にメリットを提示できれば尚良しかなと感じました。
3.相手を褒めて、重要感を持たせる。
最後に本書を読んで大事だと感じた点が相手に重要感を持たせるという点です。
人は基本的には自分を重要な人間だと思いたい生き物です。
人の根本的な欲求は8つあるとされ、
1.生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
2.食べ物、飲み物を味わいたい
3.恐怖、痛み、危険を免れたい
4.性的に交わりたい
5.快適に暮らしたい
6.他人に勝り、世の中に後れを取りたくない
7.愛する人を気遣い、守りたい
8.社会的に認められたい
というものが挙げられます。(マズローさんの5大欲求も有名ですね)
本書ではフロイトさんの記した、人が行動を始めるきっかけという研究結果により、基本的な欲求はほぼ満たされている現代においても満たされることなく人が求めてしまう欲求を突き止めました。
特に日本においては生活の中で上記の欲求はほぼ満たされます。
その中で対人間関係において満たされる欲求が特に上記の4・6・8
そう。性欲と承認欲求です。
人はエロに対しての欲求&偉くなりたいの欲求が爆発的に高い生き物だということです。
・・・間違いない。
ですので、結論として
”あなたは大切な存在です””あなたの力が必要です”
というメッセージを伝えることで、相手に重要感を持たせ、承認欲求を満たし、力を借りるという原理が成り立つのだなと感じました。
この構造をとても理解し、普及させているのが現代ではSNSでしょう。
Facebookやtwitter、Instagramでは、いいねをもらい、あなたは重要なことを言っていますよというメッセージを送ったり、フォロワーやリツイートの数を数値化し、あなたはこんなに大切な存在ですよというメッセージを届けています。
本書では、かの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが登場し、人を褒めることの重要性のエピソードや、人を褒めることに長けたカーネギーの部下のエピソードが盛り込まれ、さらに相手の重要感を持たせる意義について深い示唆を与えてくれます。
アンドリューカーネギーの墓標に描かれたメッセージは有名ですね。
歴史上2位の資産家とまで言われたカーネギーの墓標には以下のように記されています。
”己よりも賢明なる人物を身辺に集める法を心得し者、ここに眠る”
歴史上2位の名言が、自分よりも人を大事にしたというのは深いです・・。
重要感は使い分けたい
ただし、この相手の承認欲求を満たすというシチュエーションはビジネスの現場では生きてくるかもしれませんが、家族や友人にはあまり使いたくないな・・とも感じました。
というのも、
相手の承認欲求+褒める=重要感を持たせる
という式は
悪いことをした+罰を与える=無力感を味あわせる
という式と酷似しているからです。
つまり、
褒められるからする、罰が嫌だからする
という人間形成に一役買ってしまう
恐れもあるなぁとも感じました。
先ほど出てきたアドラーさんの有名な著書”嫌われる勇気”では、褒めることそのものを否定しています。承認欲求を刺激するなというような記述もありますね。
結果、重要感を刺激しすぎて、外的な要因に左右されすぎないように
家族や大切な人にはあまり使わず、
大切な人には、存在自体に感謝し、生き方を励ましていきたいと思います。
まとめ
今回はデール・カーネギーさんの名著、人を動かすを読んで、今の自分がこれは大切だと感じたことを大きく3つにまとめていきました。
本書は自分ではついついやってしまうこと、意識しないとできないことがたくさんのエピソードに交えて紹介されています。
私は前回の”心理的安全性の作り方”に加え、”人を動かす”力を心掛け、良質な職場のチーム作りや関係作りをしていきたいと考えています。
他にも大切にしているエッセンスがありますので、次回以降にまたご紹介できたらいいなと考えています。
基本的には自分の備忘録ですが、
見て下さる方にも何かのお役に立てばこれほど嬉しいことはありません。
ではまた次回のブログでお会いしましょう!